会計って人生だと思う理由その2

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kometame.hatenablog.com

就活のために自己分析をしたら財務諸表を読み解く手法と類似点が多いことに気づいた僕。

 

前編では、自身に関する時間やお金などの資本の投資先を分析することと、財務諸表における貸借対照表損益計算書の構成を捉えることが、どのように共通しているかを話しました。

 

そして今回、自己分析のもう1つの手法、

”自分が企業に対して将来どのような価値を提供できるか”の分析。

前編が過去から現在の価値を分析するのに対して、本編は現在から未来の価値を分析する話をします。

この”現在から未来の価値”を会計用語で例えると、

”将来キャッシュフロー”という言葉に置き換えられ、

でもって、その将来の価値を現在の価値に置き換えたものを、

”割引現在価値”と言います。

 

将来キャッシュフローとは将来的に獲得すると予想される価額のこと。

例えば5年間稼働可能な機械を100万で購入したとします。

その機械で商品を製造し年間30万売上をあげることができるとすると、5年間での総売上は150万。これが将来キャッシュフローとなる。

ただしこの150万は将来的に手に入る金額であるため、現在の価値に割り引く必要がある。

で150万を割り引いた価額が”割引現在価値”となる。

一般的に投資家はこの”割引現在価値”を見て投資判断を行う。

割り引く要素(割引率)の1つがリスク(不確実性)。

例えば機械が壊れやすいとか、商品が売れなくなるとか、リスクが高ければ高いほど割引率も高くなり、現在価値が減少してしまう。

そうなると投資家は「こんな価値が低いんじゃ投資できないな。」て判断したりする。もちろんハイリスクハイリターンを狙う投資家もいるけど。

 

で、この考え方って、人を採用する時の評価も同じじゃない?って思った。

 

採用担当者が評価を行う際、採用希望者が将来会社にどのような利益をもたらせてくれるかを見極めるはず。

これが会計で言うところの将来キャッシュフロー

で、採用担当者は相手の将来キャッシュフローにリスクを織り込んで現在価値に割り引く。

具体的なリスクは例えば、

すぐ辞めてしまうとか、実は仕事ができないとか、優秀すぎてヘッドハンティングされちゃうとか。

この将来キャッシュフローとそれを現在の価値に割り引いた結果で、採用(投資)を判断するんじゃないかな?

 

例えば新卒採用において、一般的な採用担当者は僕をこういう風に評価すると思うんです!!

以下採用担当者の頭の中

「英語と中国語ができる、会計の知識もあるし、コミュニケーションもまあまあ取れると、学生時代色々活動してたみたいだし、彼の将来キャッシュフローはそこそこ期待できるな。

でも待てよ。

年齢が32?これじゃあ勤続年数も短くなるし、何より彼が仕事できないかった時のことを考えると俺(私)の人事評価は下がってしまう。リスク高めだな。多動症っぽいし。」

 

ということで新卒採用において僕の割引率は、一般の学生より高くならざるを得ない。

当然僕の現在価値は低くなる。

 

で自身の将来キャッシュフローの割引現在価値をどう分析するか。

僕は内的要因と外的要因の2つに分けられると思うんです。

将来キャッシュフローは内的要因、今まで蓄積した自分の資産を元手に生み出されるものだから。

で、割引現在価値の割引率は外的要因、採用する会社や人によってリスクの判断が異なるから。

例えば社員が長年働くことをリスクと考える企業もあるし、そうでない企業もある。

 

以上が今回の就職活動で自己分析をこなってみて感じた事。

過去から現在まで、自身が何に投資して、どんなリターンを得ることができたのか。

さらに、現在から未来に向けて、自身が企業にどんな価値を提供できるのか、そして採用側の考えるリスクとはどのようなものか。

こんなことが明確にできれば自己分析の精度が上がるんじゃないかと。

 

そういや企業も法人格という人格をもっているわけで、

その意味では人を分析するのと変わらないなーと感じたのでした!!

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イランの空港で出会ったアラブ人青年達