会計って人生だと思う理由その1

2016年、30歳、人生2度目の大学3年の秋。

(社会人を経て大学受験をした話はこちら

 

キャンパスのいちょう並木も色づき始めたころ。

構内には就職セミナーやインターンシップ、企業説明会のお知らせが目につくようになっていた。

 

そんな雰囲気に流されるまま、とある就活セミナーに参加した。セミナーでは、

エントリーシートの書き方とか、

自己分析の方法とか、

お辞儀の仕方とか、

席の座り方とか、

ノックの仕方とか、

ドアノブの回しかたとか、

そんな感じの講義が行われた。

 

自分も早速自己分析。

自分はこの大学生活でお金や時間を何に使ってきたか、

その結果どんな成果をあげ、どんなことができるようになったか、

を振り返った。

 

で、この時ふと思ったのが、

これって財務諸表分析に似てない?ってこと。

 

例えば、

”大学に合格し、入学後簿記の資格を取得し、経理の知識を身につけ、インターンシップで給料をもらった。”

を財務諸表における貸借対照表損益計算書の構成に当てはめると、

”大学4年間という資源を、簿記の勉強に投資し、経理の知識という資産を形成し、給料という利益を得た。”

と言い換えることができる。

 

 財務諸表についてざっくり説明すると、一会計期間ごとに上場企業が公開する財務報告書のことで、その中に貸借対照表損益計算書が含まれている。

貸借対照表の記事はこちら損益計算書の記事はこちら

 

貸借対照表は現時点における企業の財務状態を示し、企業がどのような手段で資本を調達し、その資本でどのような資産を形成したが示されている。

貸借対照表と先ほどの例を対応させると、

どのような手段で=”大学受験”という手段で、

資本を調達し=”4年間教育を受ける”という時間(資本)を調達し、

何に投資した=”経理の知識”取得に投資した。

 

で、損益計算書は企業が一会計期間でいくら売り上げをだし、そのうち利益がどれくらい残ったかが示されている。つまり、保有した資産を元手にでどれくらい稼ぐことができたかを表している。

同様に損益計算書と先の例を対応させると、

経理の知識という資産を元手にインターンをして、給料や新しい経験といった利益を獲得した。”ということになる。

 そしてそこで得た経験やお金を元手にさらに新しい事に挑戦する。

これって

一浪Fラン卒でも理解できる会計講座③-簿記編- で説明したこの図の流れによく似てません?

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資本の調達と資産への投資、その資産を元手に利益を獲得。

その利益でもってさらに新しい資産へ投資を行う。

こんな企業の経済活動サイクルに、自身での経験がぴったり当てはまる事に気づいたんです。

 

自己分析も財務諸表も

”他社に対して自身の状態を公開する”ためのものなので、観点がよく似ている。

 

自己分析って企業に自分を評価してもらい、採用してもうらうために行うもの。

人事の人たちも、採用希望者が今まで蓄積してきた資産や利益がどれくらいなのか、分析しているはず、本人という財務諸表を通して。

 

で、もう1つ自己分析する際に大事だなって思うことは、

”自分が企業に対して将来的にどのような価値を生み出すことができるか分析する”

ということ。

この考え方も財務諸表(会計)の考え方とよく似てるんです。

会計用語でいうとずばり、

”将来キャッシュフローの割引現在価値”

なんか響きよくありません?

 

この将来キャッシュフローの割引現在価値については次編で行うとして、

本編では、自身の価値を分析する手法って、財務諸表の貸借対照表損益計算書を分析する時のそれと共通点が多いと感じた話をしました。

調達した資本を投資して、資産を形成し、その資産を元手に利益を獲得する。 

そんな企業の経済活動って実は個人単位でも行っていて、財務諸表の分析方法をお手本にすると自己分析もうまくできるのでは?

 

で、今回人生2回目の就活を行って思ったことは、財務諸表分析って就活に有利だということ。企業の決算書を読んで分析できるって、特に新卒市場だと大きな差別化になると思うんです。

企業説明会やインターンに行く人ってたくさんいたんですが、IR情報を読んでる人って結構少なかったんですよね。その企業の課題とか目標ががっつり書かれているのに。

 

あー現役時代に会計を学んでいればよかった!!

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会計って人生だと思う理由その2はこちら
kometame.hatenablog.com