【旅】英・伊のお土産格差に驚愕した話③-イギリス旅編-
【旅】英・伊のお土産格差に驚愕した話②-ローマお土産編-はこちら
2017年、30歳、人生2度目の大学3年終わりの春休み。
ダミアーノに別れを告げ、ローマのレオナルド・ダ・ヴィンチ空港からイギリスへ向かう。
離陸した機体は北上を続け、やがて眼下には山岳地帯が広がる。
山々の頂きがうっすら白みを帯びたかと思うと、それらは突然高さを増し、機体に迫ってきた。
アルプス山脈だ。
彫刻刀で深く切り込んだような谷底と急峻な山々に目を奪われつつ、ロンドン空港へ到着。
イギリスへ到着したその日は2月14日。
偶然にもイギリス入国日が誕生日となった僕。
入管職員に「お誕生日おめでとう」なんて言われちょっとほっこり。
市内へ向かう列車内でも「ハッピーバレンタイ〜ン」なんて駅員がアナウンスしていて、お国柄の違いを感じる。
で、今回イギリスではまず、スコットランドに行き、留学中の友人を訪ねたた後、彼と一緒にロンドンへ戻り、今度はフランス留学中の友人と合流する。
ロンドン市内のターミナル駅ユーストンでスコットランド行きの列車を待つ。
スコットランドの大学に留学中の彼の名前はまさ。
彼との出会いは人生2度目の大学入学式のこと、オリエンテーションまでの間、特にやることがなく、キャンパスの桜の木の下で一人本を読んでいたら、声をかけられた。
まさが僕に声をかけた理由は、
”一人で本を読んでて地味そうだったから。”
そんな彼は今回、スコットランドのグラスゴー大学で1年間経済学を学んでいる。
日本人がより少なく、かつ良質な経済学を英語で学べる場所としてこの大学を選んでいた。
スコットランド出身の学者といえば、偉大な経済学者アダム・スミスですよね。
そんな彼とは半年ぶりの再会。
ロンドン発スコットランド行きの列車が来るまでの間、駅で人々が行き交う様子をぼんやり眺めているとふと気づいたことが。
みんなじっと列車の発着掲示板を眺めている。
まるでスポーツ観戦でもしてるかの様に熱心に。
で、自分の乗車時刻が近づいた時あることに気がついた。
それは出発10分くらい前になるまで、自分の列車がが何番線から発車するか通知されないということ。
つまり何番線に行けばよいか知らされてから出発までの間、残された猶予はわずか10分。
だからみんな熱心に掲示板に見入ってるのか!!
少し離れたベンチで悠長に掲示板観戦者の様子を眺めていた僕はハッとなった。
ベンチから立ち上がり、僕もドキドキしながら掲示板で自分の列車を注視する。
来たぞ!自分の列車だ!!
プラットホームの番号が通知されると一斉に乗客が動き出した。
その様子はさながら椅子取りゲームのよう。
僕もその流れに乗りなんとか列車に乗り込んで、ホッと一息。
ロンドン主要駅の1つユーストン。
もうちょっとなんとかしようぜ!!
そんなこんなで列車に揺られること約5時間。グラスゴー中央駅に到着。
まさと半年ぶりの再会を喜び、彼のシンガポールの友人と共にレストランで夕食をとった。
こうして、スコットランド3都市とイングランド2都市を巡る旅が始まった。
約10日間、イギリスを旅して一番心奪われたこと、それは
”縁(ふち)が美しいこと”
イギリスの建造物って縁や枠を色で囲う文化があるみたいなんです。
例えば、こういう感じ。
窓の縁の色に合わせてベンチ、掲示板そして駅員の服まで赤に統一。
清潔感のある白に青枠のコントラスト、天井から差し込む陽の光が美しい。
こうして僕の”縁を探す”旅が始まった。
こういう感じで縁を色で枠取りしているのは主に、駅や飲食店が多かったんだけど、民家にもその色使いは引き継がれている。
左:扉の色が全て違うツワモノの家。
右:窓枠は水色、屋根枠だけ赤というおしゃれ上級者。
街中のレストランやパブはさらに趣向を凝らしていて、
鮮やかな緑で縁取られた、明るい印象を持たせたデザインや、
濃い緑の枠に金色で縁取りをした重厚感のある雰囲気に思わず足を止めた。
日本が”余白”の中に美しさを見出すように、イギリスでは”ふち”にその美を見出すのかな、なんて思ったりした。
そういえば日本もイギリスも世界の隅っこにいますよね。
スコットランドで縁の美しさを存分に堪能した僕は、まさと共に世界の大都市ロンドンへ向かった。
【旅】英・伊のお土産格差に驚愕した話④-イギリスお土産編-へつづく
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【旅】英・伊のお土産格差に驚愕した話②-ローマお土産編-
【旅】英・伊のお土産格差に驚愕した話①-ローマ観光編-はこちら
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2017年、30歳、人生2度目の大学3年終わりの春休み。
ローマに住む知人を訪ねた僕は、ローマ市内を散策しながらお土産を探していた。
お土産選びは僕の旅行の楽しみの1つだ。
この人にこんなの買っていったら喜ぶだろうな〜なんて考えるのも楽しいし、
お土産には現地の文化が色濃く反映されていることが多く、その地域をぎゅっと凝縮した感じも見てて楽しい。
で、ローマのお土産はどうだったか?
結論から言いますと結構残念な感じだったんです。
ローマは一大観光地だし、きっと素晴らしいお土産に溢れてる!と期待してたのに。
ところで僕が考えるお土産に必要な要素ってこんな感じ。
- その土地の文化や風習を反映していること
- 手頃な値段
- 持ち帰りやすいサイズ、重量
ローマにはこの三拍子が揃ったお土産を探し出せなかったんです...
まずローマ(イタリア)といえば、美味しいパスタとワイン。
空港や街中のスーパーには手頃なものが揃っていていて、結構魅力的なんです。
こんな感じの見たこともない種類のパスタがたくさんあって、値段も手頃。
とにかく種類が半端なく多い!!
空港にもお土産用にカラフルなパスタがずらっと並んですごく綺麗だったんですが、
見ての通りかさばるんですよね...
お土産に買っていきたい!って思っても5個も6個も買える大きさじゃないんです。
せいぜい買えて2、3個。
パスタソースも考えたんですが、ほとんどが缶と瓶しか売ってないから、重たくって仕方ない。
当然の如くワインもしかり。
こんな感じで見た目も美しいワイン達が並んでるですが、割れ物だし、重たいし。
特に今回みたいに、一度の旅行でいくつかの国や地域をめぐる場合、かさばる&重いものはお土産選びの対象外にならざるを得ない。
散々迷った挙句、頑張ってパスタとトマト缶を買ったけど、大半をイギリスで友達にあげてしまった。
何か手頃なサイズのお土産はないかとローマの中心地を物色。
で、トレビの泉前で見つけたのがこれ。
衝撃的じゃありません?ある意味。
お土産感丸出しのダビデ像に、コロッセオが描かれたプレート、日本の道の駅で売ってそうなキーホルダー、よくわらない人物の人形。
後ろでトレビの像達が泣いてます。
この手のお土産って確かに、どこに行ってもあるんですけど、問題なのはこういうものしか売っていないということ。
この後も、もしかしたら街の雑貨屋とかに行けばもっといい物があるんじゃないかって思い、探し回ったんですが、結局見つからず...
こうしてローマでのお土産探しは、長旅と時差ボケからくる疲労と倦怠感を象徴する出来事になってしまったんです。
ローマのお土産は確かに残念でした。
でもでも、
ローマで味わった料理達は絶品だったんです!安いし!
ローマ市内にはチェーン店と思しき店があまり見当たらなくて、地元のパン屋、ピザ屋、カフェが街角に点在してる。
こんな感じ。
特にパニーニは絶品でチーズや生ハムがぎっしり詰まってどれも600円くらい!!
シュークリームはカスタード率95%以上。
ピザもシンプルな味付けで素材の味が活きている。色合いも鮮やか。
ローマの友人ダミアーノの「イタリア人は楽しむことには頑張るんだ。」って言葉も納得。
お土産と比べて、食への本気度が全然違う!!
ってな感じで、お土産探しでの敗北を挽回しようと、
これでもか!ってくらいに、
たらふく粉物を胃袋に詰め込んでローマを後にした僕でした。
【旅】英・伊のお土産格差に驚愕した話③-イギリス旅編-へつづく
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中国語によるIT学習のススメ①
2018年春、人生2度目の大学を卒業し、IT業界に就職した。
僕の勤める企業はSESという業態で、開発プロジェクト毎に他の企業にエンジニアを派遣する形態をとっている。
SES自体は珍しいことではないのだけど、うちの会社は社員の構成がユニーク。
それは社員の半分が中国人であるということ。
会社の共同代表も3人いて、その内2人が中国人。
つまり僕の上司は中国人なんです!!
入社後2ヶ月間はその中国人上司のもとでプログラミングの研修を行った。
中国人上司はプログラミング圧倒的未経験者の僕に情け容赦ない。
「努力が足りないでしょう!」
とかやんやん言われながら研修期間を過ごしていた。
そんなある日、上司にこんな話をされた。
中国人上司:あなたにぴったりな仕事を見つけてきましたよ。
僕:はあ。どんな仕事ですか?
中国人上司:中国語の仕事です。
僕:え?
上司が見つけてきたプロジェクトは、中国人向けのwebサイトを開発するらしいのだが、仕事の内容上外国人国籍が不可らしい。
そのため日本人で中国語を使えるエンジニアを募集しているらしい。
僕は現役学生時代中国語を専攻していた。
中国語を専攻した理由は、
”一浪してFラン大学しか受からなかったんだからせめて人とは違うことをやらねば。”
という焦燥感みたいなものがあったからだ。
別に特別中国に興味があったわけではない。
でもいざ勉強してみると中国語は割と性に合っていて、人生2度目の大学生活の時も中国にインターンへ行ったり、中国語を使うバイトをしたりしていた。
ただビジネスで中国語を使用したことはない。
でもまぁ失敗しても、違うプロジェクトを探せばいいかな、くらいのノリで中国語経験者を募集する企業の面接を受けることにした。
面接当日、中国語のスキルをどうやって試されるんだろう?なんてドキドキしながら企業へ訪問した。
ところが面接官は中国語未経験者の日本人で、結局中国語を話すことはなかった。
で、あっさり採用通知を頂いた。
こんなんでいいのかな?
なんて思いつつ、派遣されるまで残された期間はわずか1ヶ月。
こうして僕のIT×中国語の勉強が始まった。
IT知識ほぼ皆無なのにましてやIT中国語なんてわかる訳が無い。
ということで僕のITのお勉強は中国語で行うことを余儀なくされたんです。
それで中国語を通してITの勉強しているうちに気が付いたことが。
それは、
”日本語のいわゆるカタカナIT用語よりも中国語(漢字)でITの仕組みを勉強した方が理解しやすいのではないか。”
ということ。
日本語のIT用語は基本的に英語をそのままカタカナにしたものなので、聞きなれない英語の場合、ニュアンスをつかみづらい。
OS?
ブラウザ?
なんのこっちゃい!!
対して中国語は英語のIT用語を漢字に置き換えるので、日本人にとっては意味を捉えやすい。
OS→操作系統(中国語)
あ〜なんか操作するシステムのことなのね。
ブラウザ→瀏覧器(中国語)
あ〜なんか閲覧する機器のことなのね。
こんな感じで、
OSがPCを操作する時に作動するプログラムであること、
プラウザが画面を表示する閲覧ソフトであること、
が中国語を読むとニュアンスで読み取れちゃうんです!!
中国語って海外の言葉を中国語として取り入れる時、
いかに音は外国語のままで、かつ漢字の中にその言葉の意味を体現するかに心血をそそぐんです。例えば、
カゴメは中国語で”可果美”
意味は、美味しい(可)、野菜や果物(果)で、美しく(美)。
発音は「くぁ・ぐぉ・めい」って感じ。
どうです?
音もカゴメに似てるし、漢字の意味はカゴメのコンセプトを体現してません?
日本語は外国語をカタカナにしてそのまま輸入しちゃうけど、中国語は音だけじゃなくて意味にもこだわりを持つんです。
表音文字と表意文字の折衷みたいなことをやっちゃうんですよね!!
話がだいぶそれたところで、
次章(執筆中)は中国語を使ってwebアプリケーションの概念を解説しようと思います!
イラン、エスファハンの女学生達と
【旅】英・伊のお土産格差に驚愕した話①-ローマ旅編-
2016年、30歳、人生2度目の大学3年の秋。
今時の大学生の就活は早い。
僕の後輩は大学1年生でファーストリテーリングの海外インターンプログラムに採用され、既に内内定みたいなのを貰っていた。
倍率なんと30倍!!
周りの友達もインターンにESの準備、SPIの勉強に大忙し。
そんな彼らを尻目に僕はスマホをじっと眺めていた。
調べていたのは就活サイトでも、ESの書き方でもない。
航空券の予約サイト。
東京、ロンドンの往復チケットが5万円代!!
しかもイタリア、ローマ経由で!!
いやだめだ。就活の準備があるじゃあないか。
今すぐ始めたって遅いくらいなのに。
30代で新卒市場に乗り込むってのに。
そんな考えが浮かぶが早いか、体が早いか、僕の指はフライト予約確定ボタンを押していた。
そんなこんなで4ヶ月後、
リクルートスーツに身を包む大学生をよそに、僕は一人成田に向かいトランクを引きずっていた。
今回の旅のテーマは、
”海外の知人を訪ねること”
ローマでは日本で知り合いになった友人を、イギリスではスコットランドとフランスに留学中の友人を訪ねた。
金沢市に住む友人に会う約束をしていた日の前日、兼六園を一人で散策している時に彼とは知り合った。
名前はダミアーノ。
ローマから一人で旅行に来ていた。
イタリアって夏季になるとみんな1ヶ月くらい休みを取って自由な時間を過ごす習慣がある。
彼は夏になると毎年世界中を旅しているみたい。
兼六園で僕が「一人でブラブラ歩いてるのもなんだかなぁ。」と思っているところに、同じく一人で歩いているダミアーノを発見。
「一緒に観光しようよ!」って僕が話しかけた。
この人面白そう!とかこの人何してるんだろう?とか思うと話しかずにはいられないタイプなんです。
彼とは割と意気投合して、金沢でお別れした後も東京で再会して上野を案内したり、一緒に飲みに行ったりした。
そんな彼と一年半ぶりにローマで再会できると思うとわくわくした。
日本で出会って友達に、会いに行ったら本当の友達!!
ってな感じで現地の再会は結構感動もの。
ローマに到着してダミアーノと再会するまでの間、僕は一人で市内を観光した。
宿泊先はコロッセオから歩いて15分の好立地。
ローマの観光はとても便利で、見どころがぎゅっと一箇所に固まっているため、頑張れば徒歩でも回れちゃう。
街並みは古代ローマの遺跡と市民の生活が融合してて不思議な雰囲気だった。
透き通る青空にローマ帝国時代の白を基調とした建造物が鮮やかに映えていた。
そんなローマの街並みで僕を最も虜にしたのは、
そう車!!
もうどこに観光行ってたの?わかんないよ!ってくらい車の写真ばかりパシャパシャ取ってました笑。
ローマ市内は路上駐車が一般的。
永遠に続く縦列駐車。
おそらく観光資源や景観を守るために駐車場とかは設置できないからだと思うんだけど、路肩は一面車だらけ。
駐車スペースが限られてるせいかこんな感じの2人乗りの車がたくさんあった。
軽自動車の3分の2くらいの大きさ。
中はこんな感じ。
で、これって日本の生活にもぴったりじゃない?
って思った。
日本の都市部ではローマみたいに土地が限られてるから、運転も駐車も場所をとならい2人乗りが便利なはず。
一方、地方や郊外は1人1人が車を所有するため、一家で複数台所有が主流。
確かにスペースに余裕があるから複数所有していても問題はない。
でも乗用車とか軽自動車を1人1人持つ必要ってないのでは?
通勤とか送り迎えに使うことが大半でしょ?
それよりより、家族用に大きい車1台、それ以外はみんなローマ式の2人乗りを持った方が、コストも抑えられて良くない?
そんなことを考えながら夕方ダミアーノと合流。
久しぶりの再会に感動もつかの間ダミアーノを質問攻めにする僕。
俺:あの小さい車すごくない?
ダミー:ああ街が狭いからね。ドイツのが多いよ。
俺:あんなに狭く縦列駐車したら出られないじゃない?隙間から人が飛びたしてきそうで怖くない?
ダミー:笑
俺:なんでカフェってスタバみたいなチェーン店がないの?
ダミー:地元のカフェの方が美味しいからね。
俺:イタリア人がみんな夏にバカンス休暇とったら店番は誰がやるの?
ダミー:そういう人たちは夏以外に休みを取るんだよ。
などなど。
その日は彼の友人達と夕食を振舞ってくれるということで、一緒に買い出しに。
で、夕食はもちろんパスタとワイン。
みんなでひたすらパスタを食らう!
パスタ以外にもソーセージやハム、チーズを振舞ってもらいどれも絶品でした。
すごく優しい人たちで、歓迎してくれて楽しかったです。
ダミー以外英語ができなくてちょっと気まずかったけど!笑
帰りは宿まで車で送ってもらい、翌日も彼らと街歩きを楽しんだ。
街にはこういうスタンドのカフェがたくさんあり、ローマっ子達はカプチーノやスイーツを楽しむ。
別れ際には自宅用のカプチーノメーカーをダミアーノからプレゼントされた。
ということでローマの旅の話はおしまい。次編はローマのお土産事情について!
ありがとうダミアーノ!楽しかったよ!
今度はどこか違う国で再会しよう!
ローマ郊外のレストランにて
【旅】英・伊のお土産格差に驚愕した話②-ローマお土産編-へつづく
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マーケティング会社の社長にマーケティングしてもらった話
2015年、人生2回目の大学2年、29歳の夏
友人を連れて約10日間カンボジア3都市を周遊した。
3都市での各目的は以下の通り。
無事に目的を達成した僕らはベトナム経由で帰国することになった。
ところが飛行機は離陸後程なくしてなぜかラオスの空港に着陸した。
ラオスでベトナム行きの乗客をピックアップするとのことであった。
ラオスに行くなんてそうそうない経験だからまぁいっか、なんて思いながらラオスの空港でぼーっとしていると
「日本人の方ですか?」
と日本人の女性に尋ねられた。
僕:そうです。
女性:観光ですか?
僕:はい。カンボジアからの帰りなんです。
女性:学生さんですか?
僕:ええ。僕は人生2回目の学生なんですが。
女性:へ〜。どこの大学ですか?
僕:横浜市立大学です。
女性:私も横浜市立大出身です。
えっ!!!
当初着陸予定のなかった、しかもラオスの空港というレアな場所でたまたま隣にいた人が、今通っている大学のOGだった。
こんな偶然ってなかなかないですよね。
話を聞いてみると、研修事業とマーケティング事業の会社の社長をしているとのこと。
ラオスにも仕事で来ていたらしい。
そのあとトランジット先であるベトナムの空港で食事に誘って頂き、いろいろ話を聞いた。
シニア向けの塾、企業向けの研修を行い、そこで得たデータを分析し、他の企業に提供しているらしい。
学生時代はマーケティングのゼミに所属していて、趣味でプログラミングをやっていたみたい。
自社のホームページも自身で手がけているらしく、社長なだけあってエネルギッシュな感じ。
別れ際に連絡先を交換し、東京で再会しましょうということになった。
帰国後早速社長に連絡をし、自身のバイト先である上野アメ横の居酒屋に招待した。
僕のバイト先は上野アメ横のど真ん中。
名前は魚草(うおくさ)。
美味しい日本酒と海鮮(メインは生牡蠣)を提供する立ち飲みスタイルの居酒屋。
アメ横はひと昔前までは鮮魚の物販で繁盛していたが、今では斜陽の時代を迎え、衰退しつつある。
代わりにトルコ(ケバブ)、中華、韓国などのアジア系の屋台が台頭している。
業者や一般の人たちが商売や調理のために買い求める昔ながらの鮮魚系物販よりも、その場で食べられる(体験できる)アジアの屋台スタイルがうけている。
近年の外国人観光客、外国人労働者の増加も相まって、ますます人気を博している。
アジア系屋台の波に押されている鮮魚系の店の中で一人勝ち状態なのが魚草。
僕の考える魚草の勝因は3つ
- ”飲める魚屋”として物販ではなく、その場で海鮮を食べられる形式をとっている。
- アメ横特有の”安かろう悪かろう”ではなく、美味しい海鮮と日本酒を手頃な値段で提供している。
-
”狭い店で立ち飲み”というスタイルで、見知らぬ人と肩を寄せ合い、押し合いへし合い飲み食いするのが客にうけている。
魚草は魚屋として上野アメ横の伝統を引き継ぎつつ、時代の変化に対応した面白い店だ。
社長もここに来たら喜んでくれるに違いない。
ついでにマーケティングの観点から魚草の出店スタイルについて意見も聞いてみたい。
そんな思いで招待した。
上野駅で待ち合わせをし、早速店へ案内。
日本酒で乾杯しつつ、この店ができた経緯を説明した。
そして早速この店の出店スタイルに関して意見をもらった。
社長のアドバイスは以下の通り
- 外国人をターゲットにした店づくりをすべき
- 体験を重視するべき
具体的に、
1に関しては、写真のメニューをもっと貼り、言葉がわからなくても指差しで注文が完結するようにした方がいい。
2に関しては、五感に訴えるものを店頭におき(例えば大きな蟹を目の前でやくみたいな)客を惹きつけ楽しい経験をしてもらう工夫をした方がいい。
”マーケティングに携わっているだけあって的を射た意見だな。”
と思って聞いていた。
この店の話以外にも、自身の卒業後の進路や、将来何がやりたいかについてなどの相談にものってもらい、また飲みに行きましょうということでその場を後にした。
時は流れて1年後。
魚草はさらに繁盛。
中年向けの雑誌や大衆メディアに店が取り上げられ、今まで以上に売り上げが伸びていった。
では繁盛した理由は何か。
アドバイスをくれた社長の言う通りわかりやすい写真のメニューを増やしたから?
五感を刺激する体験を売りにしたから?
答えは両方NO。
むしろ魚草は社長のアドバイスとは真逆のスタイルを貫いた。
具体的には。
- メニューの写真ではなく日本語でよくわからん昭和時代の映画や歌の台詞を貼る(経営者のこだわり)。
- 見栄えはしないし、地味だけど1つ1つの商品作りにこだわりを持って作っている(魚の下ごしらえや切り方、盛り付け方など)。
店が繁盛している様子を観察すると、
- 昭和くさい独特の雰囲気と日本酒に惹かれて客が入る。
- 美味しい日本酒と海鮮に魅了され常連となる。
- 賑わっている様子を見て外国人観光客が足を止める(現地人で賑わってる店に失敗はないという海外旅行の鉄則)。
- 日本人も外国人も入り乱れた不思議な空有間にさらに人が集まる。
みたいな好循環が生まれていた。
でマーケティング会社の社長の意見について、
ここからはあくまで僕の予想なんだけど、もし社長のアドバイス通りにしていたら売り上げは下がっていたんじゃないかって考えてる。
”メニュー写真だらけの店構え、店先に並ぶ五感を刺激する食べ物。”
これってすご見覚えがある。
そう今繁盛しているアジア系屋台の出店スタイル
彼らの店員の中には日本語ができない人も多いし、写真で注文を効率的にとる重要性を知っている。
また各国の屋台料理は匂いも見た目も独特だ。
さらに値段も安い。
もしかりに魚草が社長のアドバイスに従っていたら、魚草はアジア系屋台との差別化ができなくなり、価格競争に巻き込まれてしまっていたはずだ。
だから今になって社長の話を振り返ってみると、
”社長の魚草に対する分析は少なくとも適切なものではなかった”
と思っている。
社長がもう少し分析に時間をかければ、違ったアドバイスをしていたかもしれないし、あくまでその場で直感的に言った内容なのかもしれないけど。
でもやっぱり思ったのが、
マーケティング事業を行っている社長でも上野アメ横魚草に対しては適切な分析はできなかった。
つまり、いくらマーケティングの社長として生計を立てているようなスペシャリストでも、分析対象の分野や環境が少しでも変わると不適切な(時には悪化を招くような)結論を出してしまうということがあるってこと。
ちなみに魚草を経営している方の社長はどうやって今の経営スタイルを築いたのか?
これもあくまで僕の意見だけど、
”彼自身の美学を貫いた結果。”
だと思って見ている。
マーケティングみたいな戦略的な手法はほぼゼロじゃないかな。
彼は店を一種の舞台と捉えてアレンジしている様子。
だからラミネートされた写真のメニューをペタペタ店先に貼るのはきっと許せないんだろう。
上野アメ横、魚草という舞台。
経営に再現性はないってこういうことなのかなーと思ったりする。
そういえば魚草の社長、この前も猫の額ほどの広さの店の中に、ネズミの額ほどの体感型劇場みたいなもの作って喜んでたな。
上野アメ横の魚草より
偉大な投資家のもとでインターンをした話
2017年、人生2回目の大学3年の春
僕は約2ヶ月間インターンをした。
と言っても応募したのはインターンではなく採用試験。
結果的にインターンという形になったのだけど。
そこはIT兼人材派遣事業を行なっている企業だった。
31歳新卒生として初めての採用面接だった。
この企業の人事が、就活サイトに投稿した僕の動画を見て連絡をしてくれた。
だから企業側は自己アピールの動画と出身大学以外の情報は伝わっていない。
面接で僕の年齢を知ったらどういう反応するかな?
採用者が自分より年下だって可能性も十分ある。
正直不安で不安で仕方なかった。
面接当日、履歴書を提出していざ面接スタート。
面接官は女性の方でキャリアコンサルタントをしている方だった。
感じの良い人で自分の経歴についても割とスムーズに話をすることができた。
”思ったより違和感なくいけそうだな。”
なんて思った矢先、
突然ピンク色のシャツを着た人が現れ僕の履歴書を見て一言、
「あなたはもうおしまいです。」
へ?
自分の胃がキューっと縮こまるのを感じた。
会長:こんな歳の新卒を採用する企業なんてどこにもないよ。
僕:はい。
会長:年上の新卒社員に指導したい人なんてどこにいるよ。
僕:はい。
会長:TOEICのスコアだって大したことないし。
僕:はい。
あ〜俺の就活終わったな。
やっぱり新卒で就活なんてやるべきじゃなかったんだ。
ぐうの音も出ない程にコテンパにされた僕の心は完全に折れていた。
これが会長との初めての出会い。
会長はいわゆるエリート街道まっしぐらで
のちにシリコンバレーで投資会社を設立し、日本でM&Aやスタートアップ企業への投資を行なっている方だ。
面接を受けた企業も会長が買収したものだ。
会長:で君何がしたいの?
僕:ITエンジニアになりたいです。未経験ですけど。
会長:何言ってんだよ。
僕:はい。
こんな感じのやりとりを数回繰り返した後に
僕のことが不憫になったのか
社長面接とインターンのセッティングをして頂いた。
社長は会長がこの企業を買収した後に、ヘッドハンティングされた方で起業家精神に溢れた人だった。
社長面談の後は会長の下でインターンをすることになった。
主な僕の仕事は以下の通り、
- 採用面接同席し面接者と面接後の連絡をとる。
- 会長が所有するコワーキングスペースへ行き起業希望者と会長の連絡係をする。
いわゆる鞄持ちってやつ。
この2番目は僕がインターンした企業とは直接的に関係はなく、会長自らが行なっている事業で、週末に会長が所有するコワーキングスペースで手伝いをした。
それ以外にも経理の仕事に携わらせて頂いたり、M&Aのデューデリジェンスに立ち会わせて頂いたりした。しかも有給で。
会長の一週間は忙しい。
月曜日から金曜日までは会社で採用面接や企業買収に関する仕事をこなす。
週末は自身のコワーキングスペースで起業希望者と面談したり、起業に関するセミナーを開催する。
会長のコワーキングスペースは緑豊かで、まるで美術館にいるような芸術的な雰囲気だった。
会長の趣味は庭いじりやアンティーク収集で、平日とは違う一面を持っていた。
大学4年間で面白い経営者と話す機会があったけど、彼らに共通しているのは芸術的な側面を持っていることだった。
演劇や舞台、芸能、美術などなど。
約2ヶ月間会長のお供にをさせてもらっている間に、様々なトレンドのビジネスや企業についての話を聞いた。
会長は時代の流れに敏感で、多くの情報を収集し、ビジネスに繋げるために素早く行動する人だった。
”会長が成功した理由はきっとここにあるんだな。”
と感じた。
結局インターン終了後この企業に勤めることも、会長の下で何かスタートアップすることもなかったが、短い期間に様々な経験をさせて頂いた。
人事部長も終始笑顔で対応してくれたが、明らかに僕を疎ましく思っていた。
”早くいなくなってくれ”
って目の奥が語ってた。それも仕方ない。
学生という身分を利用して、各部署を引っ掻き回し、さらに給料ももらっていたのだから。
インターンの話はこれで以上だけど、インターンをしている間僕の中で大きな事件があった。
それは会長が出資している企業とと、ビジネスモデルとして参考にしていた会社の2つの企業が経営破綻したことだ。
2ヶ月という短いインターン中に。
輝かしい経歴を持ち、投資家の勝ち組ともいえる人であっても、何が成功するビジネスかを予測することは難しい。
そんな現実を突きつけられたインターンだった。
会長の所有するコワーキングスペースより
一浪Fラン卒でも理解できる会計講座③-簿記編-
〜簿記も財務諸表も一度に学べる話〜
簿記編
一浪Fラン卒でも理解できる会計講座貸借対照表編と損益計算書編のさらっとおさらい。
企業の財務状況が記載されている財務諸表には貸借対照表と損益計算書がある。
貸借対照表は現時点における企業の財務状態を示し、企業がどれくらいの資産を保有し、その資産を獲得するために、どのように資金を調達したが示されている。
損益計算書は企業が一年間でいくら売り上げをだし、そのうち利益がどれくらい残ったかを示している。
で本編で貸借対照表と損益計算書がどのように関連し合っていのかを説明した上で、いよいよ簿記の記載方法、つまり仕訳について解説していきます。
貸借対照表と損益計算書は企業の経済活動の流れに則して相互に関連している。
経済活動とはお金を集めて、資産を購入し、製品(サービス)を作り、販売して利益を得ること。
具体的には
- 資金を調達する。
- 調達した資金で資産を購入する(投資)。
- 購入した資産で製品やサービスを生み出し、販売する。
- 製品やサービスを提供し、利益を得る。
- 獲得した利益で更なる投資を行う。
こうして企業は成長を続けてゆく。
上記の1〜5の流れを図示するとこんな感じ。
こんな感じで損益計算書に毎年獲得された利益が貸借対照表に蓄積されてゆく。
だから損益計算書は毎年発生するお金の流れ(フロー)を示し、対して貸借対照表はその利益の蓄積(ストック)を示していると言われるんです。
でここからが簿記の話になるのだけど、上記図のお金の流れを記録するのが簿記の役割となる。
簿記の記録方法(仕訳)にはルールがある。それは、
”お金の流れが発生した場合、その事象を左側(借方)と右側(貸方)の両方に記載する”
という事。
具体例を交えて解説すると、
例えば、銀行から借り入れをして1,000円を取得した場合を考える。
このお金の流れを2つに分けると
①現金(資産)が1,000円増えた。
②借金が(負債)1,000円増えた。
と言い換えることができる。
以上の流れを貸借対照表に当てはめるとこんな感じ。
(借方)に実際に増えた資産を記載し、(貸方)にはその資産の調達方法を記載する。
で、上記図の通り、増加分を以下の通り書いてあげれば仕訳は完了。
借方と貸方の金額が常に同じであることにも注意。
こうして貸借対照表と仕訳の図を並べてみると、
”貸借対照表の位置関係はそのまま簿記の仕訳と一致する。”
ことが分かる。
これは損益計算書も同じです。
で、今度は借金を返済した場合の仕訳をしてみる。
例えば、
銀行から借り入れた1,000円を支払い利息100円と共に現金で返済した。
となると今度は現金と借入金が減少する。
この時のお金の流れを3つに分けると
①借金返済のために現金(資産)が1,100円減少した。
②借入金1,000円(負債)がなくなった。(借金返済)
③支払い利息(費用)100円が発生した。
と言い換えることができる。
ここで注意したいのは、
金銭のやり取りが発生した結果、資産や負債が減少した場合はどうすれば良いか。
ということ。
答えは簡単で、
資産、負債が増加したときとは逆の仕訳をしてあげればいい。
具体的に、資産であれば(借方)、負債であれば(貸方)にそれぞれ仕訳を記載する。
図で表すととこんな感じ。
- 借入金+支払利息=1,100円が資産から減少したので、資産とは反対の右側(貸方)減少分をに記載。
- 借入金1,000円が負債から減少したので、負債とは反対の左側(借方)に減少分を記載。
- 支払利息という費用が発生したので、費用の(借方)増加分を記載。
上の図の通りに仕訳をするとこうなる。
この場合も(借方)と(貸方)の合計は一致する。
てな感じでお金のやり取りが発生した際、その内容が貸借対照表と損益計算書のどこに該当するかをイメージしてから仕訳をすると分かりやすい。
簡単に簿記の仕訳方法をまとめると、
簿記は企業が経済活動を行った際に発生した、お金のやり取りを記録するたもめのもので、仕訳は必ず左側(借方)、右側(貸方)の両方に記載する。
金銭のやり取りが発生した結果、資産・費用・利益が増加した場合は(借方)に、負債・純資産・収益が増加した場合は(貸方)に記載する。減少した場合はこの逆の仕訳を行う。
そして(借方)(貸方)両者の金額は必ず一致する。
てなわけで一浪Fラン卒でも理解できる会計講座では、
まず代表的な財務諸表である、貸借対照表と損益計算書の構成を解説し、企業の経済活動がどのように財務諸表に反映されるかを説明した。
次に具体的な金銭の発生事象を記録する、簿記の仕訳方法について解説した。
簿記の勉強をする人も、財務諸表の読み方を勉強したい人も、始めに財務諸表と簿記の関係性を頭に入れておくと、ぐっと理解しやすくなると思うんです。
てな訳で、Let's try 会計!!
3人乗自転車にtryする私
中国語、嘉峪関にて